ホテルの社内SEとはどんなお仕事?教えて!
ホテルに限ったことではございませんが、大きな組織では『社内SE』というポジションが存在します。どのようなお仕事か知っている方は少ないと思いますので、社内SEの業務をまとめました。
社内SEの立ち位置
社内SEは「IT担当」などとも呼ばれ、外部からは「予約システムを扱う仕事」「レベニューマネジメントをしている部署」と勘違いされることがよくありますが、実際は全く違います。SEとはシステムエンジニアの略称で、ホテルの社内サーバーやホテル管理システムの総合管理やヘルプデスクを行っている部署になります。
ホテルにはホテル管理システム(PMS)や販売時点情報管理システム(POSシステム)など様々なシステムが運用されています。ホテルによって、それらのシステムを自社で設計・開発から行うケースもあれば、ベンダー(OA機器・ソフトウェアなどの販売納入業者)からシステムを導入しているケースもあります。社内SEはそれらを運用・改善・保守などを担当しています。そう頻繁にあることではないですが、サーバーやシステムの更新・入れ替えなどが発生した場合はとても繁忙になります。
ホテルの社内SEの主な業務とは?
社内SEの仕事内容をひとつずつ解説します。まず例えばシステムを日々使用している中で、現場から「もっとこういう仕様なら使いやすいのに」という要望が出てくることがあります。社内SEは変更の必要性も含めて、どのようにすれば使い勝手がよくなるのか、ポイントは何かなどを現場と打ち合わせをします。結果的に修正をする場合は、社内SEから完成形のサンプルを現場へ提案して内容を固めていき、ベンダーから導入しているシステムならばベンダーと協調しながら修正を進めていくことになります。
社内SEの日常業務は?
日頃行う業務としてはPCや各種システムの不具合対応です。「画面が固まった」「うまく入力ができない」など助けを求められたときは、通常はリモートコントロール(SEの自席で操作を行う)で作業に当たります。しかし、うまく作動しない場合や相談者の操作方法に誤りがある場合などは現場に向かい対応することもあります。
社内SEは社内ネットワークを誰がいつ操作をしたか、どんな情報にアクセスしたかを把握することができる立場にあります。ですのでシステム上での予約や金銭のやり取りなどにミスがあった際は誰の責任なのかすぐに判明しますし、もし不正使用などがあった場合は直ちに管理部門の責任者に情報を伝達するようになっています。
ホテルは24時間営業であるため、社内SEが不在時にも不具合が発生する可能性があります。その際は社外からVPN(※)を使って遠隔で対応にあたるのでいつも気が抜けないポジションです。
また、ユーザーアカウントの設定などが多くを占める時期があります。新たに社員が入社するとそれぞれにアカウントを発行します。アカウント毎に情報アクセスへの制限がかかっており一般社員と管理職では同じパソコンを開いても見られる情報が違いますので、タイトルが上がった場合もアカウントの設定の変更が発生します。また通常業務でパソコンを使う部署に社員が入社や異動してきた際は、パソコンの設置から社内ネットワークの設定、プリンターなど周辺機器の接続作業も発生します。
社内SEのまとめ
社内SEは通常お客様との接点もなく目立たないポジションではありますが、いわゆる縁の下の力持ちとして活躍をしています。実際、ホテルが毎日スムーズに営業できるのも、社内SEたちが常に陰で支えているからと言えるでしょう。非常に重要なポジションです。
社内SEに向いている人としては、プログラミング言語などの特殊な知識やスキルを必要とするため、常に最新の情報を習得しようとする意欲的な姿勢のある方でしょう。また併せて社内外の様々な人たちとコミュニケーションを図りながら業務を進めるポジションですので、社交的であることも必要な要素になります。
VPNとは:ヴァーチャル・プライベート・ネットワークの略。インターネットや通信事業者が持つ公衆ネットワークを使って、拠点間を仮想的に接続する技術の総称。