【初級編】ホテルの営業って何を売るの?教えて!
シティホテルに営業スタッフがいるのはご存知でしょうか?ホテルに勤務経験のない方は「ホテルで何を売るの?」と思うでしょう。
国内系シティホテルの総売上げに対する部門別の割合は概ね、婚礼・宴会部門が40%、宿泊部門が30%、レストラン部門が20%、その他10%となっています。
ホテルの営業スタッフは主に宴会部門と宿泊部門に分かれており、更に法人セールスとエージェント(旅行会社)セールスに分けられます。
法人セールスとは?
法人セールスとは主に企業・各種団体・学校・病院などを対象にした営業を指します。
企業・団体に対しての場合、クライアントの総務部・企画部などから年間のイベント情報を引き出し、例えば創立周年記念、社長就任、忘・新年会、発表会、研修、セミナーなどでホテルの宴会場を利用して頂くように働きかけます。また同様に学校(主に私立の小・中・高校、大学)については入学式や謝恩会、教員の歓送迎会などが対象になります。大学病院(医学部)については歓送迎会、忘新年会、教授就任・退官パーティー、医学会総会・懇親会などが対象になります。さらに国際的な組織・団体からは国際会議など、芸能・スポーツ関係では記者発表会などの利用も見込めます。
近年はどのホテルも宿泊を伴い、数日に渡ってホテルの利用が見込めることからMICE(マイス)を最大のターゲットにしています。ただ大がかりなイベントであるので受注に際してはホテル全体の協力を取り付ける必要があります。
※MICE【企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称】
法人セールスの役割は、宴会場や客室のブッキング(予約)から始まり、会場の設営、装飾や進行の打合せ、各種の演出や備品の手配などになります。営業スタッフはクライアントの要望を最大限汲み取りつつ、ホテルのプロとしてより良いイベントになるよう、様々な提案を行います。
エージェントセールスとは?
エージェントセールスとはトラベルエージェント(旅行代理店)を対象にした営業を指します。
ただ近年はインターネット予約サイト(OTA)からの予約が大幅に増えていることもあり、以前に比べてエージェントセールスの規模は小さくなっている傾向です。
旅行代理店への基本的な営業は、旅行会社と一定期間一定数の部屋の予約を販売委託するブロック契約という契約を結びます。ブロック契約は旅行代理店が契約をしている部屋数を委託期間中に自由に販売することができ、「手仕舞い」と呼ばれる日を定めて売れ残った部屋をホテルに戻すという契約になります。
次にエージェントセールスの役割は、営業スタッフは旅行代理店各社と情報交換を日頃から密にとり、先ほどのMICEを含めた企業研修などに絡む宿泊や修学旅行などの団体客を誘致したり、旅行代理店の募集型企画旅行プランに参画できるようにホテルの企画商品を売り込むことになります。
ホテルの営業職はホテル売り上げを左右する重要な役割を担っています。ライバルホテルに競り勝つ難しさがありますが、自分たちの努力がホテルを支えているというやりがいを感じることができる職種だと思います。