「IR」で生まれる雇用とは?教えて!
「IR(Integrated Resort)統合型リゾート」」とは、「観光の振興に役立つもの」とされ、具体的には、高級ホテルは勿論のこと、国際会議場、展示会場などの「MICE」施設や、ショッピングモールや美術館、劇場、映画館、テーマパーク、スポーツ施設、温浴施設等、そしてカジノが一体となった集客施設のことをいいます。
海外では、ラスベガス、マカオ、シンガポールが有名です。「IR」の代表格、ラスベガスは、カジノの収益は全体の1/3程度と控えめな数字になっており、主流は、スポーツイベントやマジックショー、サーカスやコンサートなどのイベントが中心で、家族向きのエンターテイメント路線に転換し世界をリードしております。
逆にマカオはカジノ収益が全体の2/3程度を占めており、その他事業の割合は小さくなっております。特に中国人が中心の富裕層向けの施設が多いのが特徴です。
シンガポールは、上記二か所の中間的な運営でバランスを保っております。
日本では、2016年12月「カジノ法案(IR推進法案)」が成立し、2018年7月に(IR整備法)が成立しました。今後は、2021年夏までに基本方針が決定され、どのような「IR」をつくるのか。が見えてきますが、前向きな意見と、それ以上に問題点を懸念する声が多いのも事実です。
メリット
- 国内外の観光客の増加による経済効果
- インフラ整備による地域の活性化、雇用の創出
- 税収の確保
デメリット
- ギャンブル依存者の増加
- 治安悪化
- マネーロンダリングの可能性
多くの経済的なメリットがありますが、一方でこのようなデメリットもあり、今後はIR、特にカジノに関しては非常に高度なリスク管理の構築が最重要課題になるといえます。
日本のカジノ施設については、IR施設全体の床面積の3%以下と法律で定められており、オンラインカジノは禁止、安易な入場を抑えるために、日本人客については、入場回数制限があり(7日間に3回、28日間に10回をマイナンバーカードでカウント)
1日あたり6,000円の入場料が徴収される仕組みとなっています。
「IR」の候補地は、大阪(夢洲)、横浜(山下ふ頭)、長崎(ハウステンボス)、東京(台場)愛知(常滑、名古屋)、和歌山(マリーナシティ)で、2022年前後に第一期として3か所が正式決定され、開業は2025年前後と言われております。(2020年3月現在)
非常に大きな経済効果が期待されていますので、今回、開業した場合、発生すると予想される接客に関わる求人を調査してみました。
- ホテルでは、
宿泊(フロント、ドア、ベル、ハウス、コンシェルジュ予約)
料飲(レストラン、宴会場)、調理人、セールス など。
- カジノでは、
ディーラー、ピットマネージャー、フロアパーソン、カジノホスト
カジノコンシェルジュ、ゲームマネージャー など。
- MICEでは、イベントプランナー、通訳者、ゲストリレーション など。
- その他、ランドオペレーター、ツアーガイド、ツアープランナー、
エンターテイメント施設があれば、制作スタッフや劇場スタッフ、テーマパークスタッフなど。
こちらにご案内した求人はほんの一部ですが、カジノ施設だけではなく、ホテルや、その周辺施設にも大量の雇用が生まれることが予想されます。
ヒトが好き、接客・接遇が好き、英会話を活かしたい、などの方々には、魅力ある仕事がたくさんあり、まさしく接客業務の宝庫と言えます。
「IR」は、ギャンブル好きの大人や外国人が集まる場所のようなものを想像する方もいると思いますが、実際は子供から大人、老若男女が楽しめる施設が集まった、まさに「リゾート」と言えると思います。
今後期待して動向に注目していきましょう。