調理のお仕事 ホテルと個人店の違いってなに?教えて!

ホテルも個人経営の飲食店もミシュランの星がつくような高いレベルの料理とサービスを提供しているお店が日本にはたくさんありますが、同じ「調理業務」の中身を比べたとき、どんな違いがあるのでしょうか?これから調理師を目指している方は気になりますよね?今回は「洋食調理」に絞ってホテルと個人店の違いをご案内致します。

調理の業務範囲の違いについて

【ホテル】

ホテルのレストランの多くは数十席ほどで、中には100席を超えるものもあり、個人店に比べると圧倒的に席数が多いのが特徴です。ホテルである以上、多くのお客様を受け入れるからといって、提供する料理の出来栄えにバラつきがあってはいけません。ただホテルの実情からすると手間(ソースづくりなど時間がかかるものなど)や技術(同じ形状・サイズに野菜のカットをするなど)を必要する作業をホテルのキッチンで1から始めるとなると労力も時間も膨大なものになってしまいます。そこで多くのホテルは均一にカットされた野菜や下処理された肉や魚、ある程度出来上がったソースなどを専門業者から仕入れて、そこから調理を加え仕上げることが実態となっています。まして宴会・婚礼ともなれば数百人同時に同じものを提供することもありますのでなおさらです。またホテルの場合は業務効率をよくするために分業制になっています。大きく分けると冷たい料理・温かい料理担当となりますが、さらにいくつかの業務に分かれているところもあります。そして基本的に自分の担当以外の調理には関わりません。

【個人店】

個人店は調理スタッフがシェフを含めて34名というところも多いでしょう。シェフの指示により一応調理担当は別れますが、野菜の切り込みから肉や魚の下処理、ソース作りなどの仕込みから仕上げまですべての調理工程を少ない人数でこなさなければなりません。例えば調理スタッフの急な休みがあったり、通常以上に多いお客様が来客された場合などは、自分の担当以外の業務も当然対応しなければならず、結果的に全ての調理業務に関わることになります。

料理の質や調理技術は?

【ホテル】

まず料理の質についてですが、ホテルと個人店を比べるとホテルの方が料理に高級食材を使用することができるようです。仕入れる食材の量が個人店よりかなり多いのでディスカウントが効くことも大きいですが、高級食材を使用することで、お客様に分かりやすくホテルの高級感をアピールすることができるからです。
調理技術については、前述のようにホテルは分業制で基本的には決まった担当の調理しかしません。また部署を異動するのは通常数年を要し、中には何十年も同じ担当をしている人もいるようです。以上のことから全ての調理工程を経験するのに10年近く費やしてしまう事もあるようです。

【個人店】

個人店は高級食材というよりは旬の食材を仕入れ、シェフの経験やアイデアを取り入れてメニューを作り、確かな調理技術や盛付けなどでお客様を魅了していくことになります。
調理技術はというと、個人店では調理スタッフの人数が少ないため、オールマイティな動きが求められ、結果的に早い時期から全てのポジションを経験することになります。さらに調理のスピードも要求されますので速成的に技術力の向上を図らなければなりません。また無駄を出さないことに常に神経を使っているので、食材が余ったら違う料理に使うなどの工夫をする習慣がつきます。個人店によっては中堅スタッフが食材の発注を任されるところもあり、原価管理なども早い時期から身に付けることができます。
さらに付け加えると、個人店はお客様との距離が近いため、どんな料理がお客様に喜ばれるのかがダイレクトに掴める環境です。

ホテルと個人店の労働環境は?

【ホテル】

ホテルといっても普通の企業ですので、シフトを組むことで基本的には1日の労働時間は8時間以内に抑え、1ヶ月の休日も79日取れるようになっています。ただ調理スタッフの欠員が常態化しており、月に数十時間の超過勤務をしているとことが多い状況です。

【個人店】

個人店は基本的にお店を開けている日は出勤日ですので、月の休みが46日というところが多いでしょう。また通常はランチとディナーの営業になりますので、900頃厨房入りして、ランチが終わり後片付けやディナーの仕込みをすると15001600頃にいったん業務が終わります。12時間ほどの休憩を取り、1800頃からディナータイムが始まり、お店の営業時間にもよりますが、23002400に仕事が終わるというのが一般的な個人店の勤務実態になります。ですので1日の拘束時間は1415時間に及びます。

以上を見てきますとホテルと個人店では一長一旦があります。いずれ独立を目指しているのでしたら、労働環境は過酷でも個人店の方が早く調理技術や店舗運営の仕方を身に付けられるので近道かと思います。ただ、高級な食材を使い洗練された料理を提供したい、時間にメリハリをつけたい、料理長として多くのスタッフのマネジメントをしたいなどの希望がある方ならホテルが良いのではないでしょうか。
まずは本人が将来何を望むかで進むべき方向性が決まってきます。

この記事を書いたのは

奥泉 剛

大手ホテルチェーンの都内シティホテルにて、法人宴会セールスに従事。その後、派遣業界に身を投じ事務系や料飲系派遣の営業として勤務。現在は(株)INGにて転職相談責任者としてコーディネート業務


 

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