【初級編】ホテルの仕事で身につくスキルって?教えて!

ホテルのフロントスタッフとして働くメリットのひとつに、接客のスキルが身に付くことが挙げられます。宿泊客に寄り添ったご奉仕をするわけですからその密度は、他のサービス業を遥かに凌ぐと言えるでしょう。ただ、毎日をぼんやりと過ごしていたのでは、せっかくのチャンスも生かすことができません。そこで、日々の仕事の中で、スキルを磨くべきポイントについてご紹介します。

人の心を読む力!?一流の「おもてなし力」

ホテルの仕事で身につけることができるのは、サービスを越えたおもてなしの心です。サービスは対価を意識して行うものですが、おもてなしは見返りを求めず、心の底から相手を思いやっての行為になります。これが自然とできるようになると、お客様の満足度も大きなものになるでしょう。  ただ、そのためには、お客様に言われたことにただ応えているだけでは不十分です。例えば、おすすめの観光地について尋ねられたとします。そこで、ガイドブックに載っている名所の場所を教えれば、サービスとしては十分です。しかし、おもてなしの心があれば、お客様の好みは千差万別であり、ひとりひとりにあった場所があることに思い至ります。そこで、どうするかというと、相手の話をよく聞き、表情や言葉の端々から何を望んでいるかを推察するのです。もちろん、こちらも超能力者ではないので、相手の考えることが完全に分かるわけではありません。大事なのは、こちらが何かを提案した時に、お客様のリアクションを見てそれが正解なのかを判断することです。満足していないようであれば、別の提案をする必要があります。  これは言うほど簡単なことではありません。しかし、何百人何千人もの接客を行い、その都度、お客様の視点に立って考えることで、次第に何を望んでいるかが分かるようになります。こうして、一流のおもてなし力を身につければ、お客様の喜ぶ顔を常に見ることができ、それは自分の喜びとなって返ってくるでしょう。

どこに行っても通用する!一流の「接客スキル」

ホテルのフロントの仕事は、滞在しているお客様に満足していただくことです。スタッフは、お客様のために何ができるかを常に考えなければなりません。さらに、研修では、接客に必要なスキルが徹底的に叩きこまれます。 お客様も安くないお金を払って宿泊をしているわけですから、不愉快な思いをさせてしまった場合は、2度と利用してくれない可能性が高くなります。そのため、業務中は一瞬たりとも気が抜けません。大変な仕事ですが、そこで得た接客技術は他では得難いものです。修行をしっかり積めば、仮に、他分野のサービス業に転職することになっても大抵のところで通用するでしょう。それだけ、ホテルという空間で学べることは数多くあり、奥が深い世界なのです。

どんなケースにも臨機応変に対応!一流の「対応力」

ホテルには何百人、何千人とお客様が泊っているわけですから、いつ何が起きるかわかりません。そこで重要になってくるのが、対応力です。 お客様の中には、一見無理だと思える要求をしてくる方もいます。それを素直に無理だというのは簡単ですが、それでは対応力は身に付きません。お客様の要望には可能な限りNOとは言わないのが基本です。それではどうするのかといえば、代替え案を提案するのです。 まず、希望に添えず申し訳ないという気持ちを伝え、「こちらであれば可能ですが」と別の案を提示することで、お客様の不満を最小限に抑えることができます。また、その案が、お客様の気持ちに沿ったものであれば、逆に感謝されるかもしれません。そうなるためには、日頃からあらゆる事態を想定し、頭の中でシミュレーションを繰り返すことが大切です。 こうした対応力が身につけば、日常生活の中でも良好な人間関係を築けるようになるでしょう。

この記事を書いたのは

奥泉 剛

大手ホテルチェーンの都内シティホテルにて、法人宴会セールスに従事。その後、派遣業界に身を投じ事務系や料飲系派遣の営業として勤務。現在は(株)INGにて転職相談責任者としてコーディネート業務


 

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