ホテルのコンシェルジュのお仕事とは?教えて!

ホテルでのお仕事を目指す方の多くはコンシェルジュに憧れるのではないでしょうか?ただ実際どのようなお仕事をしているのか、どのような資質が必要なのか皆様ご存知でしょうか?今回は都内シティホテルにてコンシェルジュをされている方に取材をしましたのでご案内したいと思います。

コンシェルジュとゲストリレーションの違い

コンシェルジュ=ゲストリレーションと認識されている方は多いのではないでしょうか?実際ははっきりと違いがあります。ゲストリレーションの主な役割はホテルにとって大切なお客様を、到着からお見送りまでご満足いただけるように対応することです。業務のなかには送迎のほかにお客様の要望に合わせたお部屋の準備(備品・室温など)であったり、館内外の各種手配業務なども含まれます。では本題のコンシェルジュですが、コンシェルジュはホテルをご利用されるお客様すべてを対象として、あらゆるご要望にお応えする職種になります。お客様がより快適で満足のゆく滞在時間を過ごして頂くためのお手伝いをするポジションでホテルの付加価値を高める役割を担っていると言えるでしょう。では具体的にどのようなご要望にお応えしているのかを次章でご案内します。

こんなこともコンシェルジュのお仕事

例えば、「近隣の観光スポットを教えて欲しい」ですとか、「エアラインの予約をして欲しい」などというご要望は想像できる内容だと思いますが、中には「彼女にプロポーズをしたいのですが、どのような演出がいいと思いますか?」ですとか、「彼の誕生日にサプライズをしたい。」というご要望もあるようです。ちなみに男性はコンシェルジュに丸投げの依頼をしてくるケースが多く、女性は「こうしたい」という具体的な要望を伝えてくることが多いそうです。基本的には「No」と言わないのがコンシェルジュのお仕事ですが、様々な理由から全ての要望に応えられるわけではございません。ただご希望にぴったり叶う回答ができない場合は、なるべくご希望に副った代案を提供するように努めます。逆にその提案が、ご本人が考えていたものより良い内容なことも珍しくはなく、却って喜ばれることもあるようです。

コンシェルジュに必要な要素とは?

例えば、お客様から「○○レストランの△△店に5名で行きたいのでタクシーを手配して!」と言われて「ハイ、5名様ですと2台のタクシーが必要ですね。承知いたしました。」という返答は、場合によってはまだ十分ではないこともあります。実は○○レストランは都内に何店舗かあり、ホテルから徒歩で行けるようなところにもお店があるとしたら、お客様に「○○レストランは、当ホテルから徒歩3分の所にも店舗がありますが、そちらでは如何でしょうか?」という投げかけをするべきでしょう。「いや、もう予約してあるからいいよ」とか「△△店の店長は旧知の仲でね」ということであれば、直ちにタクシーを手配すればいいでのです。ただ「えっ?そんな近くにもあったんだ、じゃあわざわざタクシーを使わず歩いていくから、そこを予約してもらえるかな」ということも実際あります。要するにお客様が本当は何を望んでいるのかを対話の中から感じ取り、一番適切と思える情報提供や行動をとることがコンシェルジュに求められているのです。そのためにはホテルの近隣のお店や話題のスポットなどについて常にアンテナを張り、また時事の問題や動向なども含め、あらゆることに興味を持ち情報収集する努力も欠かせません。

更にいつもご利用頂くお客様の性格や普段の行動パターンなどを熟知して、お客様が要望を口に出さなくても敏感に感じとって行動に移すことができると、より高い次元のサービスが提供できるでしょう。

コンシェルジュなら憧れるレ・クレドールという称号

「レ・クレドール マーク」の画像検索結果

ホテルのコンシェルジュには「レ・クレドール」という国際的ネットワークがあります。世界のコンシェルジュ同士がお互いのサービスの向上や成長を促したり、助け合ったりすることを目的に発足された組織ですが、現在は44の国と地域で約3500名の会員を擁しています。日本にも「レ・クレドール」に承認された「レ・クレドール・ジャパン」という組織がありますが、現在は名誉会員2名、メンバー25名が正会員となっています。レ・クレドールの正会員には、2本の黄金の鍵が象られた襟章をつけることが許されますが、この襟章をつけているということは世界どこでも通用するコンシェルジュの知識と経験を持っているという証となるため、お客様からの信用・信頼も絶大です。当然、正会員になるには一定の条件をクリアする必要があり誰もがなれるわけではありません。それゆえこの襟章を付けることがコンシェルジュのひとつの憧れになっています。

現在、ホテルでコンシェルジュをしている方の多くは、非常にやりがいを感じており、一生の仕事にしたいと思っているようです。
ただ日系シティホテルでは現在もコンシェルジュを配置しているホテルが少ない状況です。いままで日本人のお客様の多くがコンシェルジュというものをよく理解しておらず、活用方法も知らなかったため必要性がなかったという面はありましたが、インバウンドがますます増える状況においても、今後コンシェルジュを配置するホテルが増えてくることが見込まれます。コンシェルジュを目指す方々にはチャンスが広がっていると言えるでしょう。

この記事を書いたのは

奥泉 剛

大手ホテルチェーンの都内シティホテルにて、法人宴会セールスに従事。その後、派遣業界に身を投じ事務系や料飲系派遣の営業として勤務。現在は(株)INGにて転職相談責任者としてコーディネート業務


 

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