新規開業ホテルで働くということとは?教えて!

現在、ホテルで働いている方やこれからホテルで働こうと思っている方々の中には、新規開業のホテルで仕事をしてみたいという方もいると思います。「ゼロからホテルを作り上げる喜びや、やりがいを感じたい」と期待に胸を膨らませることでしょう。ただイメージだけが先行してしまうと、現実とのギャップに戸惑いを感じ、後悔することもあるかもしれません。実際、新規開業ホテルで働くとはどういうことか詳しく見ていきましょう。

開業前の入社で待ち受けているもの

できあがったばかりのピカピカのホテルの中で働くことに、憧れを感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、開業前のホテルには、地味で大変な作業が多く待ち構えています。そのひとつにサービスマニュアル作りがあります。外資系ホテルなどは、そのブランド毎にサービススタンダートがありますが、ローカリゼーションとして日本に適した内容に修正する必要があります。まして全くゼロからの新規開業というこということになると、膨大な作業量が待っています。ある程度マニュアルを作成し終えたら、次の段階としてシミュレーションに多くの時間を費やします。そのホテルのつくりに合せた動線なども考慮しつつロールプレーイングを行い、少しでも不備が見つかればすぐにマニュアルを修正しなければなりません。またその後、完成したマニュアルについて徹底的に覚え込むことと併せて、ホテルシステムについても作動チェックから始まり、操作方法の習得など、厳しい訓練を積む必要もあります。料飲部門などでは什器や備品などの手配や配置なども、開業前のスタッフの作業のひとつになります。

ホテルオープン後も困難が

地道な作業の積み重ねの結果やっとホテルがオープンしたとしても、まだ安心はできません。どんなに事前にシミュレーションを重ねても、実際にゲストにサービスを提供してみるとマニュアルの不備や非効率な動きが見つかります。当然その都度、修正を加える必要が出てきますが、そのような朝令暮改が積み重なると残業が月に100時間近くなることもあります。心理的にも肉体的にも相当な負担を強いられ、耐えきれずに辞めていくスタッフも出てきます。必然的に残ったスタッフにしわ寄せがくるため、ますます負担が増えるという連鎖が生まれてしまいます。

それでもやりがいには変えられない

ここまで困難や苦労しか述べてきませんでしたが、それらを乗り越えてホテル運営が軌道に乗ったときは、ホテルの基礎を作りあげたという大きな達成感を得られることは間違いありません。勿論、その経験はその後のキャリアにも大いに生かせます。また転職をする際にも優位に働くことがあるでしょう。結果的には大いにプラスに働くのですが、相当の覚悟を持って臨む心構えが必要だということになります。新規開業するホテルに就職または転職を考えている方はよくよく検討してみて下さい。

この記事を書いたのは

奥泉 剛

大手ホテルチェーンの都内シティホテルにて、法人宴会セールスに従事。その後、派遣業界に身を投じ事務系や料飲系派遣の営業として勤務。現在は(株)INGにて転職相談責任者としてコーディネート業務


 

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